外資系企業で働くと日系企業では経験したことがない様々なストレスを経験することになります。

「具体的に、外資系企業ではどんなストレスを経験することになるのか？」

「そのストレスに負けず、向き合うためにはどうすればいいのか？」

これまでの外資系企業での体験をベースに、これらの疑問についてお答えしたいと思います。

これから外資系企業に就職・転職する人は参考にしてくれると嬉しいです。

参考：「外資系企業とは？特徴や日系との違いや向いてる人・合わない人を解説」

外資系企業で体験するストレス

外資系企業であなたが体験するストレスについてまとめてみましたので、是非ご覧ください。

①：日本のローカルルールを無視した本社からの命令

外資系あるあるですね。

海外にいる外国人上司やスタッフは日本の商慣習やローカルルールについての知識はゼロであることがほとんどです。

なので、日本人からすれば思わずギョッとするような業務命令や、不可能とも思えるようなミッションがアメリカから飛んでくることも。

外資系で働く日本人マネージャーが特にストレスを感じるのが、この本国と日本との板挟みの状態です。

外資歴が長い日本人マネージャーの場合、ここを絶妙なコミュニケーション能力とハッタリ（！？）でのらりくらりやり過ごすのですが、そういったコミュニケーションに慣れていないと、結構メンタルがやられます。

特に、ゴリゴリのパワーで押し切る営業たたき上げの外国人が相手の場合、日本のローカルルールを説明して理解してもらうだけでも一苦労。

メールだけでは納得してもらえず、真夜中にミーティングが設定されることもあります。

いずれにしても、

「なんで日本のことをわかってくれないんだ！」

と愚痴っても何も解決しません。

日本のローカルルールを説明できるだけの英語力とコミュニケーション能力を磨き上げ、相手をロジカルに説得するように頑張ることが大切です。

②：好き嫌いがまかりとおる社内の人事

外資系企業で社内の人事権を持つのは直属の上司です。

人間だから仕方ありませんが、どうしてもそこに「好き嫌い」は考慮されてしまうもの。

外資系企業はそこが若干露骨というか、わかりやすく媚び売っている人の方が上の役職にあげてもらったり、良い仕事にありつける事の方が多いですね。

「おいおい、全然フェアじゃないな！」

と思う方もいるかもしれませんし、そこにストレスを感じることもあるでしょう。

ですが、現実のビジネスの世界と理想の世界とでは違いがあって当然です。

特に僕がいた金融業界というのは「縦の関係」にとてもうるさく、上司の言うことは「Yes」しか回答が許されないような業界。

わかりやすいほど媚びを売って上司から好かれた方が仕事がスムーズに進みやすかったですし、自分にとってもプラスです。

まあ、自分がいざ上司の立場に立つと、自分の言うことならなんでも聞くような部下の方が可愛いし、そういう部下を引っ張ってあげたくなりますから気持ちはわからなくもないです…。

上司に敵意むき出しにしてもいいことなんて一つもありませんし、プロフェッショナルに相手に気持ちよく仕事してもらう方が大事です。

外資系企業では変なプライドを持っていても邪魔になるだけですので注意が必要です。

③：情報共有せずに仕事を抱え込む昔からの社員

昔からいる外資系企業の社員の人に限って、全然情報共有してくれないということがあります。

何を聞いてもはぐらかしてきたり、情報を小出しにしたり。

何度も確認をして、何度も聞いて、それでやっと出してくれる貴重な社内の情報、、、、。

これって、結局社内で情報を出し惜しみすることで自分の存在価値をあげて、なるべく自分が首やリストラにならないようにしているんです。（ただ単にケチってだけな人もいるかもしれませんが）

僕もこれまでにこういう人に2〜3人出会ったことがありますが、 本当に面倒でした。

機嫌を損ねると何も情報を出してこなくなるから、いつのまにかみんなが気を遣ってしまう存在になって、それが余計に相手を調子に乗らせる状況に。

こういう人ほど社内で派閥を作って、敵対する派閥の人を目の敵にするような立ち回りをするから厄介です。

ストレスが溜まりますが、こういう人ともうまく付き合っていくのも外資系の処世術の一つです。

④：業務内容がマニュアル化されておらず属人的

意外かもしれませんが、外資系企業の社内のマニュアルって全然整備されていません。

なので、新入りが業務を学ぶときはゼロベースから、というのがほとんどです笑

仮にマニュアルが存在していたとしても、昔その部署にいた「神」のような「伝説化してしまった良い人」が気まぐれで作ったもので、今の業務内容と乖離していることがほとんど。

業務を理解するためには、とにかく優しい先輩もしくは同僚を見つけて教えてもらうか、飛び交うメールの情報を断片的に拾い集め、そこから業務内容を自分で探し当てていく、これしかサバイブの道はありません。

マニュアルが存在しないのはどう考えても非効率でありえない状況なのですが、外資系企業は人の入れ替わりが激しく、引き継ぐモチベーションがそこに存在しないのかもしれませんね。

名だたるグローバル企業だからといって期待しすぎると、裏切られるかもしれません。

もし、しっかりと仕事を教えてくれる優しい先輩がいて、きちんとしたマニュアルがある職場に出会えたとしたら….それは最高の職場となるはずです。

⑤：時差の都合による長時間労働

外資系企業は常に世界中のオフィスで仕事が動いています。

金融の場合、東京時間が終わればロンドン、そしてニューヨークと、マーケットは常に動いている状態ですから、極端な話、仕事に終わりがありません。

家に帰ろうと思ったらイギリスとのやりとりが始まり、やっと終わったと思ったら今度はニューヨーク。

大事なミーティングは基本的にニューヨーク時間に設定されることが多く、東京時間で参加する場合は夜中の0時もしくは1時からミーティングスタートが当たり前。

こうした時差によって仕事の時間が影響を受けるのは結構大きなストレスになります。

また、余裕を持った人員でプロジェクトを回すわけではないので、自分が倒れてしまったり、ミーティング不参加となると途端に仕事が止まりかねない状況になることも。

外資系企業の仕事は、ハードで責任重大なのです。

⑥：結果を出さなければいけないというプレッシャー

外資系企業＝結果が全て、です。

プロセスの段階で「どれだけ頑張ったのか」では評価されません。

常に結果を出す、自分の与えられた職務をしっかりと遂行することが求められます。

特に数値で管理される営業職の場合、結果が出ない場合、最悪はクビ・リストラということも普通にありますので、日々感じるプレッシャーは半端ありません。

自分自身の力を試すには最高の環境かもしれませんが、常にプレッシャーを感じながら仕事をしなければいけないという制約もあります。

外資系企業はブラックなのか？

こうして外資系企業で感じるストレスを書くと、

「もしかして外資系企業ってブラックなのか？」

と思うかもしれませんが、実際はそうではありませんでした。

というのも、同世代と比べれば高い報酬を得ることができましたし、なによりもそうしたストレスを感じる経験も自分自身が成長するために必要なことであると理解していたからです。

「外資系企業＝甘い、優しい、楽な環境」というイメージで挑んでいたとしたらまた印象は違ったでしょうが、事前にある程度覚悟を決めていたのがよかったのかもしれません。

厳しい職場環境というと嫌悪感を抱く人もいるかもしれませんが、グローバルな環境で様々な経験を積めるという意味では、最高の環境の一つであると思っています。

ブラックな印象をもって外資系企業を敬遠すると、せっかくのキャリアアップの機会を逃してしまうことになるかもしれませんよ！？

外資系企業で体験するストレスとの向き合い方

さて、最後に外資系企業で体験するストレスとの向き合い方についてまとめてみたいと思います。

ちょっとした精神論になるかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。

ストレスとの向き合い方①：短期のキャリアであると割り切る

ぶっちゃけ、あなたがどれだけいい外資系企業に転職できたとしても、その会社に一生を捧げることはないでしょう。

まずは一ヶ月、その次は三ヶ月、半年、一年。

そんな風に、まずは短期的にゴールを定め、目の前のことを一つ一つこなしていきましょう。

ダメならまた違う会社にいけばいい。

そんな風に、短期のキャリアとして割り切って考えると心がスッと楽になります。

仕事でメンタルを病む人の考え方が、

「ここしかない」

「この会社しかないんだ！」

という依存心です。

もっと楽に考えましょう。

世の中に働く場所はいくらでもあります。

ストレスとの向き合い方②：プロフェッショナルな態度で仕事に挑む

あくまでも仕事は仕事。

プライベートと分けて考えなければいけません。

ですが、仕事だからこそ、そこはプロフェッショナルな態度で挑まなければいけません。

求められたクオリティ、結果、納期、全て相手の期待値を超えるようにしましょう。

一つ一つの結果があなたの評判となり、それが結果として自分を支えてくれることにつながります。

一旦社内で自分の評判を築き上げれば、その後の仕事の進め方が一気に楽になり、煩わしい人間関係のストレスから解放されることにつながります。

プロフェッショナルな態度で仕事に挑み、周囲の信頼を獲得していきましょう。

ストレスとの向き合い方③：自分なりのストレス解消方法を持つ

当たり前のことかもしれませんが、「自分なりの方法」というところがポイントです。

私たちは、つい他人が「良い！」と思うストレス解消方法を優先して考えます。

ですが、それはあくまでも他人の意見であり、その方法が自分に合っていなければ全く意味がありません。

自分の場合、美味しいご飯を食べることが何よりのストレスの発散方法でした。

ブランド物を買いあさるわけでもなく、都内の高級ホテルで散在するような生活とは無縁でした。

ですが、そうした時間があるからこそ日々のハードな仕事に向き合えていたような気がします。

別に誰かに格好つける必要もありませんし、すごいと思われる必要もありません。

例えば、プラモデル作りやテレビゲーム、アイドルのコンサートに行くのも全然アリなんです。

心から自分を解放できる、そんなストレス発散方法でOK！

自分なりのストレス解消方法を見つけ出し、それをきちんと実践するようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、外資系企業で経験するストレスと、ストレスに負けないための方法について解説しました。

お役に立てれば幸いです。

では、また更新します。

記事の執筆者

MASA

関西のとある田舎出身。新卒で入社した証券会社を半年で辞めてカナダ留学へ。帰国後は都内の外資系金融会社のミドル・バックオフィス担当。ハードに働く日々を過ごす。その後、憧れだった外資系銀行に転職。海外勤務を経験。退職後は地元で起業。途中、英系の外資系金融会社のプロジェクトに参画し、完全アウェーの職場で日々奮闘。帰国後、田舎の可能性を探求しながら日々泥臭く生きています。

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